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熊野古道徒歩禄中辺路の近露王子〜継桜王子を歩く

 

 

今回は和歌山県熊野古道、中辺路に位置する近露王子から継桜王子の短い区間について。
3時間弱の身近なコースですが見どころが多く、道も平坦な場所が多いのでお手軽なルートでした。

 

ちなみにこのコースを歩いたときは、近露の里にある「古道歩き体験」という送迎サービスを利用しました。
古道歩き体験についての記事はこちら。

熊野古道近露にある「古道歩き体験」利用レビュー

 

 

 【そもそも熊野古道とは?】

 

 

近露王子〜継桜王子の徒歩ログの前に、世界遺産熊野古道の簡単な説明。

 

そもそも「熊野古道」とは昔から人々が熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社の熊野三山を参拝するために通った参道のことで、熊野古道には九十九王子と呼ばれる社がいくつもあり、昔の人はその社を目印とし参拝をしながら本宮へと歩みを進めていたのです。

 

熊野古道は「蟻の熊野詣」と例えられ、昔は行列をなすほどの多くの人々が参拝をしており、王子ごとに様々な言い伝えや物語があるのです。

 

そんな熊野古道は和歌山県田辺方面から向かう「中辺路」海岸沿いから那智方面に向かう「大辺路」伊勢戸をつなぐ「伊勢路」高野山から下る「小辺路」など熊野三山向かう道ごとに名称が違います。

 

そして今回の記事はそんな熊野古道の田辺から本宮に向かう「中辺路」の近露王子から継桜王子のルートの話になります。

 

 

□熊野古道サクッとまとめ
★熊野古道とは熊野三山に行く道のこと。
★熊野三山にどこから行くかに寄って名前が違う「小辺路」「中辺路」「大辺路」「伊勢路」など。
★その道には王子というチェックポイントがたくさんある。
★王子や古道にはたくさんの物語や見どころがある。

 

 


 【近露王子〜継桜王子を歩く】

 

近露から継桜王子までは約2時間30分
平坦な道や公道が多く、比較的歩きやすい道です。

熊野古道と言っても、車が走るような車道や、村の小道なども含まれるため歩いていても飽きが来ないというのも熊野古道の魅力の1つです。

 

牛馬童子口バス停

 

近露王子からと言いましたが、詳しくは近露から少し戻り、牛馬童子口バス停という場所からのスタート。
出発地点にはお土産屋さんとトイレもあるので、出発前に少しだけお土産を見たりトイレを済ましたり。

短いコースではありますが、夏でも冬でも水分補給は大切。

お水を買っておきましょう!

 

出発してすぐの写真

 

歩きやすいように舗装されている場所が多い熊野古道。
スニーカーで歩けるというのも納得。

 

天気がよく坂もそこまで急ではなかったので気持ちよく足を進めていくことが出来ました。
流石に雨の日やぬかるんでる日は滑る危険があるので、事前に天気予報くらいは調べておくのが吉。

 

 

 【中辺路のシンボル牛馬童子像】

牛馬童子像

 

バス停出発からわずか20分たらずで中辺路の一大シンボル、「牛馬童子像」に到着。
標識を見ていないとうっかり見逃してしまうほど小さな牛馬童子像は可愛げが有り思わず頭をなでなでしたくなります。

 

明治時代ごろに平安時代の花山法皇の旅路の姿をイメージして作られたんだとか。

過去には頭部が何者かに壊されてしまう悲しい事件も有りましたが、現在はきれいに復元されていています。

 

頭を優しく優しく撫でてあげてください。

 

【近露の里と近露王子】

 

近露王子跡

 

牛馬童子像をでて、20分ほどで近露の里に到着。

 

ちょこっと雑学↓

近露の里内にある近露王子は、九十九王子の中でも最も早く王子となった場所で、もともと近露は「近場」という名前を持っていたが、花山天皇の熊野詣のときに、近露付近で、萱の茎を箸代わりに食事をとろうとし、その茎から赤い汁が垂れた様子をみて「これは血か露か」と言ったことが由来なんだとか。

 

 

詳しくは下記Wikipediaを!

大阪本王子から箸折峠を越えて山を下り、日置川に架かる北野橋のすぐ左手にある。この王子は、九十九王子の中でも最も早い時期から現れたもののひとつであり、永保元年(1081年)の藤原為房の参詣記に「近湯」の地名が初見され、天仁2年(1109年)の藤原宗忠の参詣記には10月14日の条で、川で禊ぎをした後、「近津湯王子」に奉幣したとの記述がある。「ちかつゆ」という地名は、花山天皇の熊野詣のとき、現在の箸折峠で食事をしようとして箸がなかったので、萱の茎を折って箸にし(箸折)、そこからしたたり落ちる赤い汁を見て「これは血か露か」と言ったことに由来すると伝えられる。

 

 

舗装された熊野古道

 

近露の里は、食事処や宿泊のできる民家などがあり、今なお熊野古道を踏破しようとする旅人達の休憩地として愛されています。

里も写真の通り、きれいに舗装されており、木々覆う熊野古道とは雰囲気が一転します。

 

近露の里内のお土産屋

 

古い木造建築が改装されてカフェになったり、お土産屋さんんいなったり。

短い道ですが、村や里を散策できるのも熊野古道の良いところですね!

 

 【継桜王子】とがの木茶屋と野中の一方杉

 

継桜王子へ向かう道のり

 

近露の里から継桜王子までの道のりでは、野長瀬一族の墓や、比曽原王子など見どころもありますが、今回の記事では割愛!

また次の機会で。

 

近露の里を出てから継桜王子までは「The熊野古道」といった木々に囲まれた道が大半を締め、今回のコースの中では一番神秘的。

ここを辛いと下を向いて歩くのじゃなくて、足元に気をつけながら、まわりを見渡してみてください!

パワーが流れてきます!!

 

 

今回のルート最後の王子

継桜王子

 

継桜王子付近には見どころが多く、中辺路の中でも特に人気のスポットの一つでもあります。

王子へ向かう鳥居(上の写真)は雰囲気があり、「さぁ上へ上がっておいで」と呼んでくれている気がしてなりません。

 

この鳥居の背後にある大樹はおよそ樹齢800年

継桜王子最大の見所、「野中の一方杉」です。

 

木々がすべて一方の方向にしか育っておらず、そのすべての枝が向いている先が熊野那智大社。

とても不思議です。

 

南向きにのみ枝を伸ばしている一方杉

 

写真を見てもわかるように、巨木が一方方向にのみ成長し枝を大社の方へ向けています。

ホント不思議。

 

 

とがの木茶屋

 

継桜王子そばにある、「とがの木茶屋」忘れてわいけません。

1970年代から参拝者の方の憩いの場となっていた茶屋。
一時は所有者の高齢化などが原因で、無人休憩所となっていましたが、2016年ボランティアの方々によって茶屋として復活。

 

参拝者にも地元の方にも愛されている茶屋なんです。

 

休憩所、茶屋としての人気だけではなく、春には茶屋を囲むように満開の桜が咲き、日本家屋の風情と相まって熊野古道で3本の指に入るほど美しい景観になります。

 

熊野古道は山道だけでなく、昔ながらの風情を感じながら歩くことができる、タイムスリップしたような気持ちになれます。

 

 

今回は継桜王子までの古道を歩きました。
まだまだ素敵で紹介したい場所があるので、また次回紹介します!

 

 

 【今回のルートのおさらい(まとめ)】

 

 

総合計徒歩時間:約2時間30分
レベル:★★☆☆☆ (比較的緩やかで気持ちよく歩けるルート)
主な見どころ:牛馬童子・近露王子・継桜王子(一方杉・とがの木茶屋)

・初めての熊野古道という方や、本宮大社は行ったけど他はまだ行けていないという方におすすめ!
車で来られた方は近露の里の「古道歩き体験」を利用するとより効率よく熊野古道を楽しめます。